
SNSで情報を探し、比較し、購入を決めることが当たり前になった今、企業の発信だけでブランドの魅力を伝え切ることは難しくなっています。
そこで重要になるのが、ユーザー自身が投稿する写真・動画・レビューなどの「UGC(User Generated Content)」です。企業が一方的に伝える広告とは異なり、実際に商品やサービスに触れた人の視点が含まれるため、見る人に具体的な利用イメージや信頼を届けやすい特徴があります。
本記事では、UGCマーケティングの基本から、SNSで投稿を生み出すための設計、二次利用時の注意点、成果を測るKPIまでを解説します。
UGCマーケティングとは
UGCとは、ユーザーが自発的に作成・公開するコンテンツのことです。代表例は、InstagramやTikTokへの写真・動画投稿、商品・店舗に関するレビュー、ハッシュタグを付けた体験投稿、ストーリーズでの紹介などです。
UGCマーケティングとは、こうしたユーザーの声や体験を、ブランドの認知・信頼・購買につなげていく考え方です。大切なのは、投稿数だけを増やすことではありません。ブランドが届けたい価値と、ユーザーが実際に感じた魅力を重ね、次の顧客が「自分にも合いそうだ」と思える情報を増やすことが目的です。
2026年にUGCマーケティングが重要な理由
生成AIの普及により、SNS上には短時間で作られた画像・動画・文章が増えています。だからこそ、生活者のリアルな体験や自分の言葉で語られた感想は、以前にも増して価値を持ちます。
たとえばホテルであれば「どんな過ごし方ができたか」、コスメであれば「どんな場面で使いやすかったか」、飲食店であれば「誰と、どのように楽しんだか」といった投稿は、公式サイトだけでは伝え切れない利用価値を補ってくれます。
1. 購入・利用後のイメージを具体化する
利用している人の姿や利用シーンが見えることで、検討中のユーザーは自分ごととして捉えやすくなります。
2. ブランドへの信頼を育てる
企業発信は正確な情報を伝えるうえで不可欠です。一方で、第三者の体験や率直な感想は、ブランドへの信頼を補強する材料になります。
3. 次のSNS施策を改善するヒントを得る
UGCを丁寧に観察すると、ユーザーがどの魅力に反応しているか、どのような言葉で表現しているかが見えてきます。その気づきは、次の投稿企画、広告クリエイティブ、商品・サービス改善にも活かせます。
UGCを生むために、最初に決めるべきこと
UGC施策を始める際、「ハッシュタグキャンペーンを実施しよう」と考える企業は少なくありません。しかし企画を先に決めるよりも、まず「どのような投稿が増えると事業にとって価値があるのか」を明確にすることが重要です。
誰に投稿してほしいか
既存顧客、初回利用者、ファン層、特定のライフスタイルを持つ人など、投稿を期待する相手を具体的にします。
どのような体験を伝えてほしいか
「商品が映る投稿」だけでなく、利用前後の変化、利用シーン、選んだ理由、他者に勧めたいポイントなど、ブランドにとって意味のある体験を定義します。
投稿が増えた先に、何を実現したいか
認知拡大、指名検索の増加、来店・購入、採用、ブランド好意など、目的によって設計すべき施策やKPIは変わります。
Instagram・TikTokでUGCを増やす4つの方法
1. 投稿したくなる体験を設計する
UGCは、依頼や特典だけで継続的に増えるものではありません。ユーザーが「残したい」「誰かに共有したい」と思う体験が出発点です。写真や動画に残したくなる空間、開封時の高揚感、使い方の意外性、参加したくなる企画など、商品・サービスの体験そのものを見直します。
2. 投稿のきっかけを分かりやすくする
投稿してほしい内容やハッシュタグが分かりにくいと、良い体験をしても投稿にはつながりません。店頭、商品同梱物、公式SNS、メールなどで、投稿例や公式ハッシュタグを自然に案内しましょう。「どのように投稿すればよいか」がすぐ理解できる状態をつくることがポイントです。
3. 公式アカウントがユーザーの声に向き合う
投稿へのリアクション、コメントへの返信、許諾を得たうえでの紹介などを積み重ねると、ブランドがユーザーの声を大切にしていることが伝わります。一方的に投稿を集めるのではなく、コミュニケーションを通じて参加しやすい雰囲気を育てることが、継続的なUGCにつながります。
4. クリエイター施策と自然発生UGCを分けて考える
インフルエンサーやクリエイターとのタイアップは、投稿の質や到達範囲をコントロールしやすい有効な施策です。ただし、自然発生的なUGCとは役割が異なります。タイアップ投稿でブランドの魅力を分かりやすく伝え、その投稿を見た一般ユーザーが自分なりの体験を発信したくなる流れまで設計できると、単発施策で終わりにくくなります。
UGCを二次利用する際の注意点
ユーザーが公開している投稿であっても、企業が自由に公式SNS、Webサイト、広告などへ転載できるとは限りません。投稿を紹介・編集・広告利用する際は、利用目的や掲載媒体を伝え、投稿者から必要な許諾を得る運用を整えましょう。
- どの媒体で掲載するか
- 投稿画像・動画・テキストのどこまでを利用するか
- トリミングやテキスト追加などの編集を行うか
- 広告配信にも利用するか
- 投稿者名・アカウント名を表示するか
- 掲載期間をどうするか
商品提供や報酬を伴う投稿依頼では、広告であることが分かる表示にも配慮が必要です。事業者が表示内容の決定に関与する投稿は、ステルスマーケティング規制の対象となり得ます。運用時は、広告主側で表示や依頼内容を適切に管理しましょう。詳細は消費者庁のステルスマーケティングに関するQ&Aをご確認ください。
UGCマーケティングで見るべきKPI
UGC施策では、単純な投稿数だけを見ると、本来の成果を見失うことがあります。目的に応じて、量・質・事業への影響を組み合わせて確認しましょう。
量を見る指標
- 指定ハッシュタグの投稿数
- メンション数
- UGC投稿者数
- 投稿の継続率
質を見る指標
- ブランドの魅力がどのように語られているか
- 投稿に含まれる利用シーンや感情
- ポジティブ/ネガティブなコメントの傾向
- 保存、シェア、コメントなどの反応
事業への影響を見る指標
- プロフィールアクセス、Webサイト流入
- 指名検索数
- 商品ページ閲覧や問い合わせ
- 来店・購入・応募などのコンバージョン
SNS上の投稿を増やすこと自体が目的ではありません。UGCがブランド理解や検討行動にどのような影響を与えたかを見ながら、施策を改善していくことが重要です。
UGCは「集める」より「育てる」もの
UGCマーケティングの本質は、ユーザーの投稿を都合よく利用することではありません。商品・サービスを通じて生まれた体験を大切にし、その声を次の顧客へつなげることです。
SNSで選ばれるブランドは、企業が何を言うかだけでなく、生活者がそのブランドをどのように語るかによってつくられます。まずは、自社にとって増やしたい体験や会話を明確にし、ユーザーが自然に共有したくなる仕組みから見直してみてください。
CASE STUDIES
UGCマーケティングの実践事例を知りたい方へ
UGCマーケティングは、業種や商材、既存顧客との関係性によって、最適な企画や運用方法が異なります。
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